法人紹介

第1章 育児で大切なこと

1-8 保育に携わる喜び

私たちは毎日、それぞれに素晴らしい輝きを持った大勢の子どもたちに囲まれ、保育という仕事をしています。

ついこの間までにこにこと笑顔を見せていた赤ちゃんが、事務室にちょこちょこと歩いてきて「ア・タ・ラ・シ・イ・パジャマ」とたどたどしく見せに来る様子、給食当番の年長児が給食室の入り口で「先生、ごはんが足りません。もう少し下さい!」と堂々と言っている様子など、ほほ笑ましく笑いを誘われることばかりです。自分が言いたいこと、したい事を表せる子や、基本的な信頼感がしっかり育てられている子どもは幸せです。

周りのみんなが自分のことを好きになってくれていると感じている子どもは、自分のことが好きになれるのです。幼い時期に自分のことを好きになってくれる人にたくさん恵まれることは、とても大事なことです。

お父さんもお母さんも、保育園の先生もお友達も、自分を好き。だから、自分もみんなのことが大好き。そして、何より自分自身のことが大の大好きだと感じることができるのです。

人格の最も基本のところは、保育園の時期に育つものだと考えます。高校・大学では知識は得られるけれど、子どもの生涯を考えればやはり、幼児期の保育・育児の価値というものは大きく、貴いものであると己に言い聞かせながらかわいい子どもたちと遊んでいます。 私たちの仕事は、「すべての子どもが人を信じることができ、自分を信じられる子になるためには、どうすればいいのか」を考え、日々笑顔で子どもと向き合うことだと思います。こうしてたくさんのお友達とかかわり合いながら、思いやりの心や自分を信じる心などを身に付けて、後に小学校へと胸弾ませて巣立っていくのです。

でも、保育園ではあんなに生き生き、元気いっぱい誰とでも仲良く遊んでいた子が小学校の教室ではみ出してしまい、先生や級友からも疎まれ、「どうせ僕はバカだから・・・」と自己を否定するような言葉を口にしていると聞き、驚き、悲しみ、怒りが込み上げ、どこへ私のこの心を持って行ったらいいのか迷うばかりです。まだまだ幼い一年生です。「どうせ僕はバカだから」などと言わせないでください。すべての子どもに広く豊かな将来が待ち受けているのです。