法人紹介

第1章 育児で大切なこと

1-2 子どもの感性を大切に

″保育″という営みは、保育者自身の深い人間性を基盤にしたものであって、単に決められた事を決められたようにするだけではないのです。深い人間性により発する丁寧な保育は、実際には外側から見ていたのではほとんど分かりません。保育者の豊かな感性をめぐらせて初めて、子どもの微妙な心の動きを察知し、それを受け止めて子どもに応える、そういうことなのです。

子どもは、三輪車をこぎながら「先生!気持ちいいね?」と言ってきます。風を感じているのです。夕立が去り、東の空にうっすらと優しく架かる虹を見つけると、誰からともなくジャングルジムに登り、「♪雨が上がったよ~お日さまが出てきたよ~♪」と歌い始めます。私たちも一緒に空を見上げ、子どもたちをいとおしく思うのです。

お父さん、お母さん方にお願いです。お子さんの小さく素朴な感性を見逃すことなく共感してあげてください。感じることは、知識として与えられるものでもないし、頭であれこれと考えるものでもなく、子ども自身のものです。子どもたちは、感動する心を共有してくれる大人がいつもそばにいてくれるということが、とてもうれしいのです。子どもの時に感じたことを、身近な大好きな大人に肯定してもらえたという幸せ感は、″生きる力″の大きな源となるでしょう。